Origin

おっこんの由来

「おっこん」の意味

お客様がよく疑問に思われる、「おっこん」という名前について解りやすく解説いたします。
「おっこん」とは公家言葉で「お酒」の意味。漢字では「御献」と書きます。
この尊敬及び謙譲語を意味する「御」と、お酒と、肴を扱う人を意味する「献」を繋げ、「御献」→「おこん」→「おっこん」となりました。
公家の家系である冷泉家(※1)に残された文献の中から「おっこん」という言葉を屋号に致しました。

「御」の意味

接頭辞

  • (ゴ)物や行動を表す漢語について、尊敬語を形成する。
  • 尊敬語・美化語を作る和語接頭辞「お」、「おん」、「おおん」に当てる。
  • (ゴ)経緯の相手方を対象とする行為を表す語について、謙譲語を形成する

「献」の意味

  • 客にもてなす酒・肴の膳部(※2)
    「預かり蔵人小板敷きを昇り、大杯を取って献(こん)を勧む」  雲図抄(※3)(うんずしょう)より
  • 酒席などで、杯を飲みほす回数を表す。また杯をさす度数にもいう。
    「一献(こん)おあがりください」
  • 客をもてなすとき、食物を出す度数を表すのに用いる。
    「一献に打ち鮑、二献に海老、三献にかいもちひにて止みぬ。」
    徒然草 第二百十六段より(現代語訳)
    「お銚子一本目に、アワビ、お銚子二本目に、エビ、お銚子三本目に、蕎麦がき(※4)だった。」

※語句解説

※1 冷泉家(れいぜいけ)とは藤原俊成・定家・為家の血を引く冷泉為相から始まった和歌の宗家。現在では同志社大学敷地内に存在しており、現存する最古の公家屋敷としても有名。重要文化財にも指定されている。
※2 膳部(ぜんぶ) 1.膳にのせて出す料理。食膳。「―を調える」  2. 料理を扱う人。料理人。
※3 雲図抄(うんずしょう)は、平安時代後期に描かれた儀式書。書名は「雲上(清涼殿)での(儀式の)指図」という意味で、清涼殿における儀式の際の配置を彩色付の図を付して解説したものである。
※4 蕎麦がきは、100%そば粉をお湯で練った食べ物で、醤油やわさびをつけて食べるとお酒がすすむ簡単な料理。